生産地支援ってなにするの?

ルワンダのコーヒーを販売していて、よく聞かれるのが
「生産者還元って具体的に何をするの?」という質問です。

フェアトレードやエシカル消費商品など、国際的な生産地応援の方法は色々あります。

フェアトレード商品でよくあるのは、生産者の買い付けに一定の上乗せ額を支払うという形です。
これは生産者には生産物の対価として直接利益が渡る一方、その原材料費の値上げ分は価格に転嫁されますので、どうしても商品の値段が上がってしまいます。

私は少しでも多くの人にルワンダの事や生産地の事をしってもらいたい。
気軽に日常的に地域の発展に繋がる製品を消費してもらって国際交流を身近に感じてもらいたい。
そんな思いがありますので、価格は大きくは上げられません。

「利益共有」という形


その中で私が取り入れたい取り組みが「利益共有」(Profit Sharing プロフィットシェアリング) です。

Profit Sharingでよく見られるのは、企業が余剰利益を従業員への還元という形で支給するケースが多いです。特別ボーナスなどは少しなじみが深いかもしれません。

この考え方を応用して、販売して得た利益を原材料の生産者に還元することで、
遠く離れた生産者を支援する形をつくりたいと考えています。

もちろん、原材料を安く買い取っているわけではありません。
特別な上乗せをしていないだけで、適正価格での取引をしています。
その代わりに、多くの人に買ってもらうことで全体の利益を増やし、
その利益を地域の発展活動に使う事で生産者も消費者も得をする――それが、私の考える仕組みです。

ですから、生産地還元で「何をするのか」「何ができるのか」は、
この利益の規模次第で内容も対象も変わってきます。

 

生産者還元で考えていること


私の事業規模が小さいのでできる事は限られてしまいますから、対象はコーヒー農家及びその地域コミュニティの住人数十人から数百人程度とします。
以下に、今考えている主な方法をいくつか紹介します。

① 現金配布
一番シンプルなのはお金配りです。
テイケイ農家の皆さんに利益を収穫量に比例して分配する事で、頑張って耕作した人がボーナスを得られる仕組み。わかりやすく直接利益になる反面、現金のやりとりはかなりデリケートで、たとえ収量に比例していたとしても分配額の不公平間でいざこざが起きたりする。最悪支援組合が崩壊なんてケースもよくあります。

② マイクロファイナンス支援
ルワンダをはじめ多くの農村では、村人たちがグループを作り、
少しずつお金を出し合って貯金し、家畜の購入や病気の際の出費などに備えます。
このマイクロファイナンスグループに出資する形で、
肥料や人件費などの資金に充ててもらうという方法です。
既存の仕組みを活かせるため公平性もありますが、
運営トラブルが起こりやすく、最終的に資金の行方が曖昧になるケースもあります。

③ 現物支給
家畜や肥料、農業資材、農機具など、長期的に収入を生み出すものを現物で提供する方法です。
あわせて、対象農家へのトレーニングプログラムを行い、技術や知識の向上も目指します。

「魚を与えるより、魚の取り方を教える」方式ですね。
ただし、この方法は農家の理解や協力が不可欠で、
粘り強いコミュニケーションとマネジメントが求められます。

④ 栄養改善
ルワンダでは、慢性的なたんぱく質不足による低栄養が大きな問題になっています。
特に幼児期に動物性たんぱく質を十分に摂れないと、脳の発達や情報処理能力に影響が出るとされています。

そこで、コーヒー生産者だけでなく、
地域の乳幼児を抱える母親たちに高たんぱく食品(大豆粉のおかゆ、牛乳、卵など)を配布する案を考えています。

例えば、ルワンダの卵は1個10〜20円(100〜200ルワンダフラン)。
子ども1人に週5個配ると、1年間で約4,800円。
これを100人に提供すると約48万円が必要になります。

さらに規模が大きくなれば、学校給食支援という形も考えられます。
特に10歳以下の子どもたちに栄養価の高い給食を提供することで、
成長期の健康や学習意欲にも良い影響が期待できます。

こうして並べてみると、どれも一長一短があり、
実際に実行するには課題も多いと思います。

 


JICA海外協力隊時代に行った大豆の栄養価とタンパク質摂取の重要性の啓蒙活動。


初年度は
コーヒー農家へのトレーニングプログラムと、子どもたちへの卵の配布
を中心に行いたいと考えています。

テイケイコーヒーの売上もそこまで大きくはありませんので、
まずは私自身のポケットマネーで、
JICA海外協力隊時代の同僚である郡役所の職員と相談しながら、
小さくても確実に形にしていきたいと思います。

テイケイコーヒーの定期便では、購入者の皆さまに不定期配信のメルマガを通して、活動の進捗や還元の様子を報告していく予定です。

また、広く購入者の皆さまからアイデアやご意見を募集し、
消費者と生産者が一緒にコーヒー生産地の未来をつくっていけるような形を目指しています。

もしこの記事を読んでくださった方で、「こんな支援があったらいいな」と思うアイデアがあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。

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